福島第1原発事故から1年を経過したが、終息への道のりはまだまだ遠く、野田首相の「事故終息宣言」は実行力のない政府のあがきにも感じられる。
こんな中、今年は京都議定書に定められた国際公約(08~12年に1990年比6%減)達成の最終年度であるが、昨年のCOP(国連気候変動枠組み条約締結国会議)が示すよう、京都議定以後のCO2排出枠組み策定に早々と離脱(カナダ)、あるいは条件付き不参加を決め込んだ日本政府は、京都議定書そのものの達成にまで想定外の原発事故による影響の免罪符を得ようとしていたが、国際社会における約束はそんな同情を買うことで免責されるものではなかった。
「製造業のこれまでの排出削減努力に加え、森林のCO2吸収効果や官民の排出枠利用分を含めると、08~10年度までの国内の総排出量は平均で90年度比10%強減少し、目標の6%削減を超えている。」(日本経済新聞1月29日朝刊)とあるが実際は企業努力もあるが、リーマンショック後の経済停滞で燃料消費が低下傾向にあったことが大きい。
一方、毎度のことでうんざりするのは、これら産業界は乾いた雑巾を絞るほどCO2の削減に取り組み、成果を表しているにも関わらず民生部門、とりわけ「家庭からの排出量は環境省のデータによると08~10年度時点で32%増と増加に歯止めがかかっていない」(同)と矛先を「笛吹けど踊らず」の国民へ向けていることだ。
電気よりCO2排出係数の高い灯油ストーブ、ガスストーブなどで暖をとることで電力不足を乗り切ろうとする節電キャンペーンの中ではCO2削減しようがないではないか。
環境省データは必ずしも実態を反映させているとは限らないが、環境家計簿が普及していないこともあって、大方の世帯の実態を表していない。実際は世帯数の増加に伴う電力需要絶対量の割りあてと思えばよい。
私は定年後、CO2の排出量と関係なく、自宅の光熱費のムダな使い方に気づいただけで実際に05年から07年の3年間で電気代が8%も安くなった。「気づき実行」の成果だけで京都議定書目標達成ができた。さらに築25年木造の自宅の冷暖房効率のムダに気づき、08年から10年にかけて家中の窓に市販断熱シートを貼ったところ、なんと10年の光熱費は05年比24%も減った。これに火がつき?今度はガス代も下げようと屋根に太陽熱温水器を設置したところ05年比41%の減少、今年はついに太陽光発電(3kW)も設置したので余った電気の売電も生じ、年間光熱費は92%減達成できる見込みとなった。
当然のことながら車のガソリンを含む我が家からのCO2排出量は「結果的」に年間5トンから2トン弱へと6%減を大きく上回る60%強削減することになった。これが「家庭からのCO2排出量は増え続けている」に対する私の挑戦的回答である。年齢を考えるとそろそろ免許証返却で「CO2ゼロエミッション」も夢ではなくなってきた。
(H24.5.16 平手 彰)

