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 日曜の早朝6時、駅前清掃に加わった。たばこの吸い殻、紙くず、木っ端、空き缶、雑誌等々拾い集める。時には草を取り、箒で掃き集める。「今朝はなさそうだね」と始めてもロータリー、構内、階段下、隣接商店前、そして周辺と広げていくと結構集まるものだ。 

 お仲間(流山倫理法人会)のO会長始め、皆真っ正面な心で施す姿は、小生の心を豊かにしてくれる。仲間よりも、少しでもお役立ちたいと夢中に拾い回っている途中で、一人の御年輩者とお会いした。蛍光ジャンパーを着こみ、清掃奉仕をされているので、ボランテァ活動だろうと直感した。話しかけてみた。何と一人で約10年間毎日されているとのこと。この駅の工事が始まって以来とのことだ。たばこの吸い殻だけでも既に10、000本は拾っただろうという。定年後、健康のためと、世の中にお役立ちたいとはじめて、71才、意気軒昂な人だ。「凄いですね、ご苦労様です」と賛辞を述べさせていただいた。自慢げに活動ぶりを話す表情は、満ちあふれた奉仕者の笑みだ。やはり、そんな気はないと言っても、ねぎらいと感謝と認めの賞讃の言葉を掛けられるのは、多少なりとも心地よいものなのだろう。小生は、まねごとに過ぎなくても、それに近い気持ちになることもあるのだから、正直言ってそんな体験はまれであってもだ。

 
しかしー、来たー。「でも駅員等は、見ていてもお礼すら言わない。防護柵内のゴミを拾おうと思うと危ないからやめろと言う、商店街の管理会社の人もそうだ、道ゆく人も言葉はない、」「どう思いますか。」「ある時、若者に注意したら、「私、飲む人、あなた拾う人。世の中そういう役割でできているもんだ。罪を犯す人、取り締まる警察のごとしだね,アハハハ・・ですよ。」と続く。その表情にはいつしか笑顔は消え、苦虫と攻撃的表情そのものだ。いつの間にか「やってやってんのに・・」の心情が強まってきているのだろうか。それって初心かな。気持ちはわかるが複雑な心境で聞き役に回っている小生だ。「皆、感謝していると思いますよ。自分たちができていないことを、恥じていることもあるかもしれませんよ」「そうですかね」「いずれにしても、する事ができ、できる健康体に感謝ですね。」「そうですね」「互いにやれることに感謝続けましょうよ。」笑顔で握手してお別れする。何となく気が晴れない。
「のに人間」この言葉がふっと脳裏に浮かぶ。

 それは、Give(与える) and Take(取る)この頭文字を組みあわせる5タイプの人間に類別できる。即ち
 ①T・T人間
  (頂くばっかりでそれが当たり前、くれなければ文句を言い、頂いても感謝の念がない。)

 ②T・G人間

  
(頂いたらやるよ、相手がやらないのになんで自分がしなければいけないのタイプ)
 
③G・T人間
  (自ら先にする、そして頂く、これが普通、しかし、Giveしても返しがないと、や ってやったのにの心情が涌く、これが「のに人間」だ。少々計算高いかな)

 
④G・G・T人間
  
(GとT相殺されてもGが一つの残る。常に一つ貸しのできる人)
 
⑤G・G・G人間
  
(与えて、与えて、見返り求めない、まさに神様か。徳のある人だろう)

 以上であるが、⑤型人間にはなれずとも、④型人間にはせめてなりたいものだと小生は思うが・・。さて「のに人間」に着目してみるが、よく人付き合いは、ギブアンドテイクという。この事に異存はない。しかし、ギブしたことを立てに「してやったのに返さない、お礼も言わない・・」では、施したことから、勝手に相手に対する嫌悪感を作り上げてしまいかねまい。その事が以前よりも関係悪化に繋がる事になったら施しの真意は一体何だったのだろうか。ギブするその言動にこそ既に価値はあるのだが・・。読者諸氏はどう思いますか。

 ちなみに⑤型タイプでは、損するばかりだという人がいるが、二宮尊徳翁の教えに「たらいの水」の例話がある。盥(たらい)に入った水を手前にかき寄せようとすれば水は反対方向に逃げる。逆に向こうに押しやれば手前に寄ってくる。即ち人生揺り戻しであるとの教えだ。欲をかいた自利主義よりも、人のためにまず施しのできる利他主義であれということだ。

 ボランテア活動の初心はここにあってのことだろう。ちなみに当Gでの各位の献身的な活動姿勢には頭が下がり、だから自分も何かせねばと喚起されることも多い。

 生半可な自分に「見返りを求めない施し」の実践がどれほどできているのか考えさせらた早朝の駅前掃除であった。せめて「機会がある、健康でできる、仲間がいる」だから、終えた後のすがすがしさに「おかげさまで」と感謝したいものだ。そして互いに施しされつつ「ありがとう」の言葉を交わし会えたらハッピーだ。だって生身の人間だもの。人の世は持ちつ持たれつ、それがよい。 
(H23.12.15 澤田 良雄)

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